事業体制

太陽地球環境史グループ

~歴史文献に残る激甚太陽嵐からの現代文明へ影響推定~

名古屋大学宇宙地球環境研究所(ISEE)は本チームで名古屋大学デジタル人文社会科学研究推進センター(DHSS)と連携し、太陽黒点、日食、オーロラなどの歴史文献や、宇宙線、太陽電波、地磁気などの各種アナログ記録を用い、過去の激甚太陽嵐や太陽地球環境長期変動の定量復元を進めます。さらに復元と最新の数理モデルを組み合わせることで、今後発生する激甚太陽嵐や太陽地球環境長期変動による現代文明への影響の見積もりも目指します。

構成員

名古屋大学宇宙地球環境研究所

早川 尚志 

助教

超学際ネットワーク形成推進室/総合解析研究部

 

太陽地球物理学、激甚宇宙天気、歴史天文学、環境史

過去の激甚太陽嵐、太陽活動長期変動を解明すべく、世界各国のアナログ観測記録や歴史文献に残る太陽黒点、地磁気、オーロラの証拠を精査しています。これにより太陽嵐や太陽活動の検討の時間幅を数百年、数千年に延伸し、宇宙天気、宇宙気候の極限状態の究明を目指しています。

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Nicholas Larsen 

特任助教

 

磁気圏物理学、宇宙線物理学、宇宙天気、航空機被曝

当研究​では歴史上の太陽嵐・磁気嵐の復元から得られたデータを​使って同時代の地磁気のシールド能力をモデリングすることに焦点をおいています。これはこのような激甚現象の際の、宇宙線による航空機高度被曝リスクなどの宇宙天気への影響を考える上で極めて重要です。このような研究の成果は宇宙天気現象の影響の「最悪のシナリオ」を定量化し、その影響を緩和するシステムを構築する際に重要な役割を果たし得ます。

矢倉 昌也

研究アシスタント

 名古屋大学 デジタル人文社会科学研究推進センター

佐久間 淳一

教授

 

統語論的研究(フィンランド語、エストニア語)

岩田 直也

准教授

 

西洋古代哲学

プラトンとアリストテレスを中心とする西洋古代の認識論と形而上学を専門とする。特に、経験論と生得説の対比を通じ、知識の獲得に必要な基盤的信念の問題とその方法論の探究が主な研究課題である。近年は、古典文献を大規模言語モデルで分析する特化型AI対話システム「ヒューマニテクスト」の開発を主導し、西洋古典研究や教育の手法に革新をもたらすことを目指している。

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川本 悠紀子

准教授

名古屋大学人文学研究科西洋古典学専門、名古屋大学高等研究院、名古屋大学人類文化遺産テクスト学研究センター

 

西洋古典学、西洋古代史(ローマ)、西洋建築史

古代ローマ時代の(主に前1世紀から後2世紀)住宅と庭園の発展について考古学的資料や文献史料をもとに研究している。特にイタリア半島がフィールドで、近年は発掘や自然科学分析(樹種分析・炭素14)も検討することで、古代ローマ時代の実際の状況を探ろうとしている。このほかにも、古典籍から天文学的現象を繙くプロジェクトなどにも参加している。

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伊藤 早苗

特任助教

 

楔形文字文書学

 

紀元前1千年紀前半に西アジアの大半を支配したアッシリア帝国の歴史を楔形文字アッカド語文書を用いて研究しています。その中でもとりわけ粘土板に刻まれたアッシリア王室書簡を研究対象とし、アッシリア王碑文などの記念碑的文書には記録されないようなアッシリア帝国の様々な側面の解明に取り組んでいます。

小島 敦

研究アシスタント

 筑波大学図書館情報メディア系

村田光司

助教

 

西洋中世史(ビザンツ史)、歴史天文学

 

専門は歴史学で、中世の西ユーラシア、とりわけビザンツ(東ローマ)世界の史料を精査し、日月食・彗星などの記録の評価と社会的背景を探っています。史料批判の厳密さを損なうことなく、天文学者の利用に耐える望遠鏡以前の歴史的天文データベースの構築に貢献したいと考えています。